NRLP12関連周期熱症候群 


版 2016
diagnosis
treatment
causes
NLRP-12 Related Recurrent Fever
NRLP12関連周期熱症候群
NALP12関連周期熱症候群は遺伝性の病気です。原因遺伝子は、NLRP12(NALP12)といい、炎症シグナル経路に関与しています。患者は、周期性発熱を発症し、その他、頭痛、関節痛、関節腫脹、発疹等を伴います。症状は、寒冷刺激で誘発されることが多いとされています。無治療だと患者は消耗しますが、生命予後は良好です。 1
evidence-based
consensus opinion
2016
PRINTO PReS



1.NALP12関連周期熱症候群とはどんな病気ですか?

1.1どのような病気ですか?
NALP12関連周期熱症候群は遺伝性の病気です。原因遺伝子は、NLRP12(NALP12)といい、炎症シグナル経路に関与しています。患者は、周期性発熱を発症し、その他、頭痛、関節痛、関節腫脹、発疹等を伴います。症状は、寒冷刺激で誘発されることが多いとされています。無治療だと患者は消耗しますが、生命予後は良好です。

1.2患者の数はどのぐらいですか?
大変稀な病気です。全世界で10人未満の患者が報告されています。

1.3病気の原因は何ですか?
NALP12関連周期熱症候群は遺伝性の病気です。原因遺伝子はNLRP12(NALP12)です。この遺伝子の変異により、体の炎症反応の異常がおこります。ただ、その詳細なメカニズムはまだ明らかにされていません。

1.4 遺伝しますか?
NALP12関連周期熱症候群は常染色体優性遺伝形式の遺伝性の病気です。つまり、患者が発症するためには、片方の親は発症している必要があります。しかし、家族内に患者以外の他にだれも周期熱を発症していないことがあります。この場合、考えられるシナリオとして、患者の受精時に新規変異として疾患関連変異がおこった、一人の親は変異をもっているが未発症もしくは非常に症状が軽く見逃されている(低い浸透度による)、が考えられます。

1.5なぜ私の子どもはこの病気にかかったのでしょうか?防ぐ方法はないのでしょうか?
新規変異が原因でなければ、患者は親から病気をおこすNLRP12遺伝子の変異を遺伝したからです。しかし、病気をおこすNLRP12遺伝子の変異を持っていてもNALP12関連周期熱症候群を発症するとは限りません。この病気を予防することはできません。

1.6他人へ伝染しますか?
この病気は感染性ではないので、伝染しません。

1.7どういう症状が出ますか?
主な症状は発熱です。発熱は5-10日持続し、不規則な間隔で繰り返します(数週間から数か月)。発熱発作はさまざまな症状を合併し、頭痛、関節痛、関節腫脹、蕁麻疹様発疹、筋肉痛が含まれます。発熱発作は、寒冷刺激で誘発されることが多く、1家系で感音性難聴が観察されています。

1.8症状はどの子でも同じですか?
患者によって、症状は同じでなく、より軽症からより重症まで様々です。さらに、その症状、発作の持続期間、重症度は、同じ患者でも毎回異なる事があります。

1.9この病気は小児と成人で違いはありますか?
患者が成長するにつれ、発熱発作はより少なくなり軽症化する傾向にあります。しかし、大部分の患者において、なんらかの症状がのこります。


2.診断と治療

2.1どのように診断しますか?
診察、病歴の聞き取りから臨床症状を同定します。それを元に、専門医がこの病気を疑います。
発作時に炎症が存在することを検出するために、いくつかの血液検査が有用です。診断は、遺伝子検査で疾患関連変異を同定することによってのみ確定します。鑑別診断として、周期性発熱を症状として示す他の病気、特にクリオピリン関連周期熱症候群が重要です。

2.2検査で重要なものは何ですか?
上記に示したように、診断には臨床検査が重要です。CRP、血清アミロイドA、血算などの血液検査は、発作時の炎症の程度を検討するために重要です。
発作から回復し無症状になったあとも、炎症所見が正常化もしくは正常近くに回復しているか確認するため、繰り返し血液検査を行う事が重要です。少量の血液により、遺伝子検査が可能です。

2.3治療法や根治療法はありますか?
この病気は完治できません。また発作を予防する治療も知られておりません。対症療法により、炎症および痛みは軽減することが可能です。現在、炎症をコントロールする新規薬剤が検討されています。

2.4どんな治療法がありますか?
NALP12関連周期熱症候群の治療薬として、インドメサシンなどの非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)、プレドニゾロンなどの ステロイドアナキンラ などの 生物学的製剤 が存在します。これらの薬剤は有効な患者さんは存在するものの、どれも一様に有効であるものではありません。これらの薬剤のNALP12関連周期熱症候群に対する有効性、安全性はまだ認められておりません。

2.5薬物療法の副作用にはどんなものがありますか?
副作用はその薬剤によります。非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)は頭痛、胃潰瘍、腎障害を、ステロイド及び生物学的製剤は感染に対して弱い状態にします。ステロイドはその他様々な副作用を引き起こします。

2.6治療期間はどのくらいになりますか?
生涯にわたって、治療を継続する必要性をしめすデータはありません。患者が成長とともに、症状がかるくなることから考えて、症状が落ち着いた患者では治療中止を考慮するのが賢明でしょう。

2.7代替医療はありますか?
有効な補完療法の報告はありません。

2.8どのような定期的な受診・検査が必要ですか?
この病気に罹患した子どもは年2回の血液検査、尿検査を受ける必要があります。

2.9病気はどのくらい続きますか?
この病気は生涯にわたりますが、年齢とともに軽症化する症例も報告されています。

2.10長期的予後(予想される結果や経過)はどのようなものですか?
生涯にわたる病気ですが、年齢とともに軽症化する症例も報告されています。大変稀な病気であり、その長期予後は不明です。


3.日常生活

3.1病気のために子どもと家族の日常生活にはどういう影響がありますか?
繰り返す発熱発作により、生活の質(QOL)が損なわれている可能性があります。多くの場合正しい診断がつくまでに時間がかかり、家族が不安に感じたり不要な治療を受けたりすることがあるかもしれません。

3.2学校についてはいかがですか?
慢性疾患の子どもにとって教育を受け続ける事は大変重要です。学校の出席に問題が生じるような要素が少しありますので、子どもに対してどのような配慮が必要であるかを教師に説明することが重要です。子どもが学業面で遅れないようにするばかりでなく、大人や同級生たちに受け入れられ、認められるために、両親と教師は子どもが学校の活動に普通に参加出来るように可能な事はすべて行う必要があります。将来的に職業人として社会に出る事は若い患者にとって重要な事であり、それこそが国際的な慢性疾患患者支援の目標の一つです。

3.3スポーツはできますか?
どんな子どもにとっても運動をすることは毎日の生活にとても重要です。治療の目標の一つは、病気の子どもたちにできるだけ普通の生活を送らせ、自分は友達と何も変わらない、と思わせてあげることです。すべての運動は、できるかぎりやらせてあげます。しかし、急性期には運動の制限と安静が必要になることもあります。

3.4食事についてはいかがですか?
食事については特別な助言はありません。一般的には子どもはバランスのとれた年齢相応の普通の食事をとるべきです。十分なタンパク質・カルシウム・ビタミンの入った健康的でバランスのとれた食事が、成長期の子どもには推奨されます。ステロイドは食欲増進作用があるので、ステロイドを服用している患者では、過食を避けましょう。

3.5天候は病気の経過に影響しますか?
寒冷刺激は症状を誘発する可能性があります。

3.6予防接種を受けることができますか?
はい、この病気の子どもはワクチンを打てますし、打つべきです。しかし弱毒化生ワクチンを使用してはいけない治療も存在するため、同ワクチンを打つ前には主治医に知らせましょう。

3.7 性生活、妊娠、避妊についてはいかがですか?
現時点でこれらの事柄について役に立つ文献的情報はありません。一般的には、他の自己炎症疾患と同様、生物製剤が胎児に及ぼす影響の可能性を考慮し、予め治療法の選択をおこなえる計画的な妊娠を考慮したほうがよいとされています。


 
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